投稿者「kdelab」のアーカイブ

長月の葦毛湿原

今年9月に撮影した葦毛湿原での自然観察です。

9月になって葦毛湿原にも爽やかな秋風を感じます
白玉星草( Eriocaulon nudicuspe )@葦毛湿原。東海地方(愛知県、静岡県、岐阜県)の湿地帯に固有の植物です。あたり一面の白玉星草を見ると、たまりません。絶滅危惧Ⅱ類です。
白玉星草( Eriocaulon nudicuspe ) @葦毛湿原
木道周辺に群生する白玉星草@葦毛湿原
ワレモコウ( Sanguisorba officinalis )@葦毛湿原
イワショウブ (Triantha japonica) @葦毛湿原、本州の中西部、あるいは日本海側に分布するもので、太平洋側でにある葦毛湿原で見られるのは稀有なことだと思います。絶滅危惧種です。
ミズギボウシ( Hosta longissima )@葦毛湿原
ホザキノミミカキグサ( Utricularia caerulea )@葦毛湿原。絶滅危惧種です。
ミミカキグサ( Utricularia bifida )@葦毛湿原、黄色い花です。絶滅危惧種です。ピンク色のほうは、ヒメミミカキグサ( Utricularia nipponica )でしょうか?本当なら、こちらはもっと絶滅危惧種です。
ハンミョウ( Cicindela chinensis japonica )@葦毛湿原。久しぶりの出会いでしたが、驚くほど沢山いました。色彩が鮮やかです。
トノサマガエル( Pelophylax nigromaculatus )@葦毛湿原。絶滅危惧種です。
ヤマガラ( Sittiparus varius )@葦毛湿原

FIT2019@岡山大学

第18回情報科学技術フォーラム,通称FIT2019学会で、岡山にやってきました。学生の発表は1件だけでしたが、聞いていて安心できる発表でした。

以前、言語処理学会で岡山にきたときは、岡山城・後楽園・倉敷の美観地区を紹介したので、今回は岡山駅から電車で30数分でふもとの町(備中高梁(びっちゅうたかはし)に行ける、日本一高い場所(臥牛山(がぎゅうざん)の山頂付近)にある山城、「備中松山城」を紹介します。

岡山大学での学生の発表の様子
FITの看板
岡山駅前の桃太郎銅像
岡山駅前の噴水
備中松山城(天空の城)標高478mの臥牛山の山頂付近にある(山城として日本一の高さ)。1240年築城
備中松山城天守閣付近にいたエナガ( Aegithalos caudatus
臥牛山のノグルミ( Platycarya strobilacea )の巨木
臥牛山の 中腹は、モミ( Abies firma )に代表される針葉樹とアラカシ( Quercus glauca )やアベマキ( Quercus variabilis )に代表される広葉樹の混ざる原生林です。
臥牛山の頂上付近から見下ろせる備中高梁市
臥牛山の頂上付近から 見える吉備の山々
臥牛山のふもと付近の湧水の河原に咲いていたタマズダレ( Zephyranthes candida

高松でのISO会議にて

8月26日から30日までISO(国際標準化機構)SC24の総会が高松で行われました。日本で行われるのは2007年の東京会議以来12年ぶりです。ソーシャルイベントでは屋島までバスツアーを行いました。遠隔参加者を含め7カ国から、約30名が参加しました。会議では、3次元のデータ形式のX3D(ISO/IEC 19775, 19776, 19777)やCollada(ISO/PAS 17506 )をはじめ、複合・拡張現実、 Smart Cityなど様々な規格に関する現状報告・今後の予定などが述べられました。また、人工知能の人気を背景に、上記標準の言語結合(インタフェース)に、すでに標準規格化されているJavaなどの著名なプログラム言語に加え、人工知能分野で最もよく用いられるPythonを今後導入することがほぼ決っています。

サンポート高松から望む瀬戸内海(向こうに見える島は女木島)
ISO SC24会議の様子
ISO SC24 ソーシャルイベント(屋島にて)
屋島から望む四国の山々
屋島から望む会議のあったサンポート高松ビル
高松に寄航していた豪華客船ダイヤモンド・プリンセス:背景の山は屋島
高松のシンボル:赤灯台 とその近くを航行するフェリーボート
栗林公園:恋ツツジ(ハート型)
栗林公園のオニバス( Euryale ferox ):絶滅危惧種
栗林公園のコシアキトンボ( Pseudothemis zonata

横浜にて

3連休+お盆休みということで、実家のある横浜に帰りました。みなとみらいに行ったり、近くの市民の森に行ったりして、過ごしました。

パシフィコ横浜
昼間の「みなとみらい」観覧車(コスモクロック21)周辺
夜の観覧車周辺.。「街の灯りがとてもきれいねヨコハマ~ ブルーライト・ヨコハマ~」なんて知らないか。。。
ひまわり( Helianthus annuus )@横浜追分市民の森。
サルスベリ(Lagerstroemia indica) @横浜瀬谷市民の森
キクイモ( Helianthus tuberosus )@横浜瀬谷市民の森
キツネノカミソリ( Lycoris sanguinea )@横浜追分市民の森
ミズヒキ( Persicaria filiformis )@横浜瀬谷市民の森
キンミズヒキ( Agrimonia pilosa var. japonica )@横浜追分市民の森
オニドコロ( Dioscorea tokoro Makino )@横浜追分市民の森
ウラギンシジミ( Curetis acuta paracuta )@横浜追分市民の森
アカボシゴマダラ( Hestina assimilis )@横浜瀬谷市民の森。
サトキマダラヒカゲ( Neope goschkevitschii )@横浜追分市民の森。日本固有種(日本にしかいません)。樹液によく集まります。技科大のクヌギ林周辺でもよく見かけます
樹液にやってきたカブトムシ( Allomyrina dichotoma )(メス)とカナブン( Pseudotorynorrhina japonica )@横浜瀬谷市民の森
ヒグラシ( Tanna japonensis )@横浜瀬谷市民の森
リスアカネ( Sympetrum risi risi )@横浜瀬谷市民の森
ウスバカゲロウ( Distoleon tetragrammicus )@横浜瀬谷市民の森

きららの森(愛知県段戸裏谷原生林)にて

豊橋は猛暑なので、多少なりとも涼を求めて、5月以来、久しぶりに、きららの森(段戸裏谷原生林:標高900m)に行きました。早朝に出発したこともあり、豊橋から90分程度で着きました。到着時の気温は26度と、かなり涼しかったです。5月に沢山いたバードウォッチャーは、ほぼゼロで、とても静かな佇まいでした。自分は景観、植物、鳥、虫などいろいろ撮影したかったので、とにもかくにも、段戸湖をはじめ、いろいろな景観の撮影からスタートです。

きららの森。段戸湖。
きららの森の小川。あちこちに、こんな小川があります。いずれも湧水だそうです。
ミズナラ( Quercus crispula Blume ) 。国内では緯度の高いところか、自然豊かな山地にしかないそうです。
ブナ( Fagus crenata Blume ) 。 成熟したブナの樹皮のなんとも言えないテクスチャーがたまりません。
ブナ( Fagus crenata Blume ) 。 5月の新緑のブナもよかったですが、夏の青々したブナもいいですね。世界自然遺産の白神山地がそうであるように、自然保護の象徴なので、ブナの巨木を見ると、とても神聖な気持ちになります。
リョウブ( Clethra barbinervis )。光のあたり方によって、白かったり。黄色っぽく見える場合もあります。
センニンコウ( Clematis terniflora DC
きららの森の小川。
カワセミ( Alcedo atthis ) 。猛暑の豊橋と違って、こちらのカワセミは真夏でも快適に過ごしている感じがします。
ヤブサメ( Urosphena squameiceps )もしくは、センダイムシクイ( Phylloscopus coronatus )?。クマザサでちょっと見えにくいです。いずれにしても8月に出会えた夏鳥です。
モノサシトンボ( Copera annulata ) ?

万葉の森公園にて

新元号「令和」が万葉集から採用されたということで、以前から行ってみたかった、浜松にある万葉の森公園に行ってきました。名前からも日本固有の植物があると期待していましたが、期待通りで、ススキ、クズを除く秋の七草を観察することができました。かつての日本の山野の姿を愛で、公園として残してくれていることに感謝。豊橋への帰途の道中で、海岸沿いの中田島砂丘にも寄ってきました。うす曇で、砂丘では風も強かったので、気温は高かったものの結構気持ちよかったです。

万葉の森公園入口の石碑
オミナエシ( Patrinia scabiosifolia
オミナエシ( Patrinia scabiosifolia
キキョウ( Platycodon grandiflorus
ピンクのカワラナデシコ( Dianthus superbus L.
var. longicalycinus (Maxim.) Williams )
白いカワラナデシコ( Dianthus superbus L.
var. longicalycinus (Maxim.) Williams )
ハギ(ヤマハギ)( Lespedeza bicolor
フジバカマ( Eupatorium japonicum )まだつぼみでした。
ヒオウギ( Iris domestica
ヒオウギ( Iris domestica
オニユリ( Lilium lancifolium )
セリ( Oenanthe javanica )。セリは春の七草ですが、花は今頃咲きます。
ハグロトンボ( Calopteryx atrata
中田島砂丘入口の石碑
中田島砂丘の風景(その1) 砂丘のあちこちに池(湿地)があります。
中田島砂丘の風景(その2) 。こちらも別の湿地です。
中田島砂丘から太平洋を望む。砂丘の入り口から、丘を登りきるとやっと太平洋が見えてきます。珍しく波は静かでした。
ハマニガナ( Ixeris repens
カワラハンミョウ( Cicindela laetescripta )絶滅危惧種(愛知県では絶滅したと推察されています。全国的にも、ほぼ絶滅状態にある昆虫で、出会えるだけで奇跡だと感じます)
カワラハンミョウ( Cicindela laetescripta
カワラハンミョウ( Cicindela laetescripta

文月の花鳥風月

7月になり、花や虫や鳥の姿も、いよいよ夏らしさを増してきているように感じます。葉が覆い茂ってくると、樹木にとまる小鳥を見つけるのも、とても難しくなります。それでも、囀りや飛翔する姿を頼りに、時々、思いがけなく出会うと嬉しくなります。虫たちは、逆に、目の前に出てきてくれることも多くなり、短い夏を一生懸命生きている姿に、見とれることもしばしばです。

サワシロギク( Aster rugulosus )@葦毛湿原。全国的には、絶滅危惧種です。Wikipediaには、なんと葦毛湿原の画像があります。
ミカヅキグサ( Rhynchospora alba )@葦毛湿原
アキノタムラソウ(Salvia japonica)?@横浜追分市民の森
ヤブミョウガ(Pollia japonica)@横浜追分市民の森
ノリウツギ( Hydrangea paniculata )@葦毛湿原
ノカンゾウ( Hemerocallis longituba )@葦毛湿原
ノカンゾウ( Hemerocallis longituba )@葦毛湿原
サワヒヨドリ( Eupatorium lindleyanum )@葦毛湿原
オカトラノオ( Lysimachia clethroides )@葦毛湿原
サギソウ( Pecteilis radiata )@葦毛湿原、絶滅危惧種です。
サギソウ( Pecteilis radiata )@葦毛湿原
ミズギク( Inula ciliaris ) @葦毛湿原、湿原に咲く日本固有種です。
カワセミ( Alcedo atthis )@葦毛湿原 (長尾池)。カワセミは留鳥ですが、夏は見つけにくいです。
ヤマセミ( Megaceryle lugubris )@愛知県新城市朝霧湖。こちらも留鳥です。
夏鳥の代表、キビタキ( Ficedula narcissina )の囀り@葦毛湿原
長尾池周辺の枝にとまるカワセミ。なんとなく、動作に愛嬌を感じます。
ツマグロヒョウモン(メス)( Argyreus hyperbius )@葦毛湿原
ダイミョウセセリ(Daimio tethys)@横浜瀬谷市民の森
コチャバネセセリ( Thoressa varia )@葦毛湿原
カラスアゲハ( Papilio dehaanii )@葦毛湿原
ベニカミキリ( Purpuricenus temminckii ) @葦毛湿原
ビロウドカミキリ( Acalolepta fraudatrix )?@横浜追分市民の森
ノリウツギの花にやってきたアカハナカミキリ( Corymbia succedanea )@葦毛湿原
コウヤホソハナカミキリ( Strangalia koyaensis )@葦毛湿原
セマダラコガネ( Anomala orientalis )@葦毛湿原
ミルンヤンマ( Planaeschna milnei )?それともオニヤンマ( Anotogaster sieboldii )?@葦毛湿原

梅雨時の豊橋の景色

湿度の高い梅雨の季節です。たまに晴れると、山の景色がまばゆく、生物がぱ~っと出現して、短い晴れ間を有効に使っているように感じます。そんな姿を幾つか紹介したいと思います。

ガクが八重の珍しいガクアジサイ( Hydrangea macrophylla f.normalis )。素敵です。
葦毛湿原のトキソウ( Pogonia japonica )。準絶滅危惧種です。
梅雨の晴れ間の葦毛湿原。晴れると日差しが眩しいですが、時々吹く、そよ風がとても気持ちいいです。
梅雨の晴れ間の葦毛湿原の木道
葦毛湿原のオオチャバネセセリ( Polytremis pellucida )
国内最小のトンボであるハッチョウトンボ( Nannophya pygmaea )。大きさは1円玉くらしかありません。湿地で、じっとしています。湿地がなくなれば絶滅するしかないといわれています。
ハッチョウトンボ(オス)
ニホンアマガエル( Hyla japonica )
ラミーカミキリ( Paraglenea fortunei )@ 豊橋市嵩山 (すせ)自然歩道
ラミー(Ramie)(カラムシ( Boehmeria nivea var. nipononivea ))の葉上のラミーカミキリ(豊橋市嵩山町)
ツモグロヒョウモン( Argyreus hyperbius )(オス)@ 葦毛湿原

技科大の果実とボウリングの季節?

技科大では、この時期、ヤマモモの赤い果実が学内のあちこちに見られます。これは食べられます。ということで、今年はちょっといただいてみました。すっぱさもありますが、とても美味しいです。意外と知られていないような気がします。また、タブノキの丸い緑の実もなっています。こちらも実は食べられます!アボガドのような味です。

さて、毎年、この時期、研究室でボウリング大会を行っています。ことしは、昨年に続きROUND1で行いました。楽しかったです。

技科大に沢山あるヤマモモ( Morella rubra )と、その実(おいしいっす!)
技科大のタブノキ( Machilus thunbergii )とその実
豊橋駅のコーヒーショップにて。クリームがハート型?
ボウリング場にて(その1)
ボウリング場にて(その2)
ボウリング場にて(その3)
月のクレーター(コンデジで撮影)

水無月の花鳥風月

植物、野鳥、昆虫などの写真を撮り続けていますが、昼の時間が一番長いこの時期は、見頃となる生物の種類が多く、ワクワクします。基本的に「追っかけ」ているのは、外来種ではなく、古くから日本にいる固有種です。葦毛湿原では、いつのまにか、管理人の人からも声をかけられるようになってきました。花鳥風月シリーズは今後も続けていきたいと考えています。

ヒメヒカゲ( Coenonympha oedippus annulifer )
アカシジミ( Japonica lutea
ウラナミアカシジミ( Japonica saepestriata Hewitson
サンコウチョウ( Terpsiphone atrocaudata )。キビタキとともに、暗いところを好む夏鳥です。オスは尾が長く、飛翔する姿が格好いいです。鳴き声も独特で、とても愛らしいです。
ササユリ( Lilium japonicum )
クロミノニシゴリ( Symplocos paniculata )
湿原に自生するバイケイソウ( Veratrum album )
バイケイソウの花(クローズアップ)
ノハナショウブ( Iris ensata )
モウセンゴケ( Drosera rotundifolia )
トウカイモウセンゴケ( Drosera tokaiensis )
河原撫子( Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams )(秋の七草ですが、咲いています)
テングチョウの群れ( Libythea celtis
ハンカイソウ( Ligularia japonica )の蜜を吸うモンキアゲハ( Papilio helenus )
絶滅危惧種IAに指定されているヒメヒカゲ( Coenonympha oedippus annulifer(Butler) )