FIT2016(情報科学技術フォーラム)に参加してきました。今年は富山大学でした。現地で最初に行うのが受付でネームプレートをもらうことです。あれ~、どうして~。ネームプレートが「初音ミク」で、「FIT2016」と印刷されてる?(写真参照)な~んてネ。なぜか、ちょっと嬉しいのは何故?
初日、『ここから始める情報処理~画像、音声、テキスト、検索、学習、一気にまとめてチュートリアル~』というイベントに参加。何とか座れましたが、立ち見が出る人気振りで、内容もとても刺激的。タイトルからわかるように、KDEラボにやってくる学生のためのチュートリアルといっても過言ではありません。「3D」「動画」「時系列データ」が入れば、ほぼ合致したでしょう。
- ゼロから始める自然言語処理
ポケモンGOを例にとり、Twitterからテキストマイニングをしてみました、という実験結果の公表。MeCab(めかぶ)の辞書を「ポケモントレーナー」のカスタム辞書で補い、頻出コロケーション(モンスターと出現場所の共起)をTwitterから探して、「ミニリュウ←→上野」など、いろいろな共起法則を見つけられたとか。しかも、結果をタグクラウドで可視化しているから、とてもわかりやすかったなあ。「Twitterのようなデータはクリーニング(ノイズ除去+前処理+後処理)を必死でやらないといけない」というメッセージには、会場のほぼ全員が共感していました。 - 深層学習フレームワークChainerを用いた画像識別
『「おそ松さん」の六つ子識別をDeep learningでやってみました』話も面白かったです。「人間VS計算機(深層学習)」の識別結果公表や、識別精度に対する(六つ子用)6×6のConfusion matrixが出てきたときは、くすっとなりました。中でも、「5000枚以上、おそ松さん判別の訓練を積んだ人間」の代表、実は「これは、ボクのことですが」で、爆笑が……でも、この熱意と忍耐こそが、深層学習には必要なんだなあ、と思い知らされました。 - Support Vector Machineを使い倒す
内容はSVM(Support Vector Machine)全般でしたが、特に「libsvmを使いたおす方法」には自分が知らない、いろいろな裏技(?)が紹介され、ちょっと感動してしまいました。Pythonからもlibsvmを使えるそうなので、(scikit-learn(サイキットラーン)のSVMと合わせ)ちょっと自分でもやってみようかと思います。
2日目は自分が座長のセッションがあり、こちらはこちらで、ためになる話が一杯聞けました。「謝罪会見の(ビデオ撮影画像から)フラッシュを(できるだけ綺麗に)取り除く方法」「画像のエッジ検出でのエッジ切れの対策」「手書き文章の読みやすさの判定」「機械学習を用いた署名照合」など、いろいろ勉強になりました。
3日目、学会は午前中でほぼ終わったので、午後は研究室の学生から事前に聞いていた、「富山に行くならここがお勧め」のリストにあった黒部峡谷へ。宇奈月(うなづき)からトロッコ電車に乗って欅平(けやきだいら)まで。そこから徒歩で「猿飛峡」までの遊歩道を散策しました。エメラルドブルー(グリーンというよりブルーに近かったので)の黒部川の清流と、そそり立つ山々を覆う原生林の峡谷の風景がとても素敵でした。インターネットで調べて想像するのと、本当に現地に行って感じるのでは、全然違うなあ、とあらためて思いました。百聞は一見に如かず。「とやまのうんまい」空気と水を感じて、リフレッシュできた気がします。来年は、ぜひ、学生と一緒に発表で参加したいと感じました。