もう退職された技科大の名誉教授から、「技科大が出来てしばらくの間はネー、雨が降ると、地面がぐじゃぐじゃになって、皆、長靴をはいていましたヨ」という話を聞いたことがあります。多分、大学の中の道路は舗装されていなかったのだと思います。雨が降ると、時々この話を思い出します。自分も小学校の頃は、雨が降ると長靴をはいて登下校していたので、それがいかに大変だったか容易に想像できます。
土の道路といえば、昭和なレトロのイメージがありますが、実は今でも、そんなレトロな雰囲気を感じられるところがあります。時々、写真の場所へ行って哲学する習慣にしています。この写真は横浜市ですが、昔住んでいた倉敷市北部の(記憶の中の)風景は、写真そっくりの土の道路で、道路の片方に川が流れ、もう片方は、春になるとあたり一面ピンク色の「れんげ畑」で、近所の子供たちと一緒に駆け出して遊んでいました。川には、水車があちこちに設置され、季節になると、水車で川から水田に水を供給していました。そんな水車の回転の様子をじっと眺めていたのを覚えています。
さて、季節は徐々に本格的な春になってきました。ところどころ、早咲きの桜が咲き、菜の花畑は満開状態です。たまには子供のように菜の花畑の中を駆け出してみたくなります。豊橋鉄道の「菜の花」号は、電車の中も「菜の花」一色で、最初に見たときは、「ううっ」という感じでしたが、今では感覚が麻痺したのか、「(こんな)だもんで」な気分です。